藤代研究室の研究内容


 藤代研究室では酸化物超伝導体、Mn, Coなどの遷移金属酸化物、などの物性研究、応用研究を行っています。最近の研究の中心は、パルス着磁による超強力な超伝導バルク磁石の開発です。2005年7月に、新しく開発したパルス着磁法(MMPSC法)によりGdBaCuOバルクに世界最高となる5.20Tの磁場を捕捉しました。基礎的研究では、1993年より低温における固体の熱伝導率、熱拡散率、熱起電力、熱膨張などの測定技術の開発を行い、現在では4〜300Kの温度範囲で、0〜10Tの磁場範囲での完全自動測定が可能になっています。この測定手法を用いて、種々の相転移現象への熱輸送特性からの物理的なアプローチと、各種機能材料や構造材料の熱物性データベースの構築を目指しています。


1. パルス着磁による超強力な超伝導バルク磁石の開発に関する研究

 パルス着磁のメカニズムを解明し、捕捉磁場の向上とバルク磁石の産業への応用を目指しています。

2. 遷移金属酸化物の相転移近傍での熱輸送に関する研究

 超巨大磁気抵抗(CMR)効果を示すMn, Co系などの遷移金属酸化物およびその関連物質の物性研究を行っています。

3. 酸化物超伝導材料の熱輸送特性

 酸化物超伝導材料(単結晶、バルク溶融体、線材)の熱輸送特性や新物質の研究を行っています。

4. 低温における熱測定技術の開発

 熱拡散率、接触熱抵抗の測定技術や熱伝導率の2次元同時測定など新しい測定技術の開発を行っています。

5. 新しい熱電変換材料の探索

 将来の熱電変換素子に応用するCo系酸化物の材料探索を行っています。